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ボスニア・ヘルツェゴヴィナのモスタールってどんな街?

そもそもほとんどの日本人が「ボスニア・ヘルツェゴヴィナってどこ?」と思うだろう。私たちもそうだったので、軽く解説から入ります。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都はサラエボ。そこは第二次世界大戦のきっかけの一つとなった「サラエボ事件」の起きた都市で有名だ。

ボスニアに行って初めて知ったのだが「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争」が33年前に勃発した。

モスタールも1992年の独立を引き金に、独立の可否や国のあり方をめぐって勃発したボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時に戦場となった。多大な犠牲と民族浄化を含む凄惨な戦争はボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人がそれぞれ民族ごとに分かれて戦った。

モスタールの街は今でも弾丸の痕が残っているが、戦後急速に復興して観光地として栄えている。

ちなみにボスニア・ヘルツェゴヴィナだけでなく旧ユーゴスラビアの歴史を調べるほど、周辺国の歴史や関係性は興味深い。

こんなに美しい街があったのか!と驚くほど川と街並みの景観が素晴らしいのが第一印象だ。

モスタール街歩き&観光

内戦の銃弾後が残る家も多いが、それを忘れさせるほど街並みが美しい。とくに川がとても綺麗で、エメラルドグリーンの川が延々と続いている景色は浮世離れしていた。

こんなに綺麗な街があったとは!ウィーンよりも好みの街並みだ。

ランチは久しぶりに外食。

川に飛び込みをする強者もいた!

ヨーロピアンっぽいな~

しかしこの日は日曜日。

観光客向けの土産屋や飲食店しか営業しておらず、スーパーが閉まっていたので困った。なにせ食材を買い溜めしていなかったし、ビールが飲みたかったのだ。

しかたなくインスタント麺を食べて、炭酸水でその日はやり過ごした。

ローカルマーケットとボスニア紛争ジェノサイド博物館

朝からローカルマーケットへ出向き、野菜を買ったり切れた日用品を買い回った。野菜を買うならここが一番安いし、新鮮でおいしい!

支払いはもちろん現金のみ。通貨やユーロでもいいが現地通貨のほうが無難だ。レタスやトマト、フルーツを買ったので久しぶりに野菜を大量摂取できる。

じつは歩いて片道2時間半の街に行く予定だったが、あまりの暑さに諦めた。

一旦休憩してボスニア紛争博物館に行った。

【Museum Of War And Genocide Victims】

25年前までこの地で勃発した民族間戦争の悲惨さを伝える博物館なのだが、当時の様子がカラーの映像で残されている。

かなり残酷で見るに耐えない映像も多く残っていた。

セルビア人、クロアチア人、ボスニア人が対立して争い、強制収容所で民族浄化まで行われていた。

ナチスの博物館に行った時は「とはいえ80年前で時代や価値観も違うし、現代では同じことは繰り返さないだろう」と思いながら見ていたが、ボスニア、ヘルツェゴビナ戦争は私たちが赤ちゃんだった頃に3年間にわたって争っていたのだ。

現代社会でもなおホロコートが行われていた。

今も他の国で行われているし、そのことがかなり強いショックになってこの旅で1番気が重く暗い気持ちになったのだ。

国(あるいは土地)を独占するために、他の民族を排除する必要があるのか?民族という括りで捉えることは時に協力して成し遂げることもあれば、対立を生み傷つけ合うことに繋がる。

同じ人間であり、人間はただそこに在るだけの存在なのに、、と悔しい気持ちになる。

世界の秩序をWHOやNATOが決めているというのもおかしな話だと最近思う。他の国を主要な国の判断で良し悪しを決めようとか、戦争を止めようとか、かなり変だとおもう。

良い側面もあるが、大国の利害によって小国の命運が変わってしまうのは傲慢だしさらに争いで物事を解決しようとする原因になりかねない。

しかし、とにかく戦争はほんまにあかんな、、、と思って博物館を出た。

街を歩きながら銃弾の跡を見ると、ゾワゾワしてきた。

残しておきたい人も、見たくない人もそれぞれいるだろうな、、、

一見平和なようだけど、家族や友達を殺された人々の間には憎しみは残ってないのかな?

など、生々しく想像してしまった。

そういった火種がまたいつ争いを引き起こすかわからない。しかし、絶対に争いたくないだろうな。

日本は戦後80年を迎えたが、はたして戦争がどれほど悲惨なものかを深く想像できる人の割合はどれほどいるだろうか?「歴史は繰り返す」というが戦争は繰り返していいわけがない。と、世界を旅しているとわかる。

次回、クロアチアの深夜特急に乗る!

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投稿者

o-tourism@youzakka.com

夫婦で世界一周している「おぎつう」ことogido tourismです。旅行に役立つ情報をほぼリアルタイムで更新中!

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