
マラケシュのスーク巡り
≪マラケシュ2日目≫

宿の朝ごはんを食べて、さっそく雑貨の相場を調べに【Ensemble Artisanal
مجمع الصناعة التقليدية】という民芸工房と商品が一か所に集まった施設に向かう。
スークを抜けていくんだが、目移りしてなかなか前に進めない。雑貨がすべてかわいい。



施設に着いてからも素敵なモザイクタイルや絨毯が多くて目を奪われる。一応目星をつけて、幾つか値段を確認した。
他は特に欲しいものもなかったので、スークへ戻る。
マラケシュにはいたるところに絨毯屋があり、ついふらっと入ってしまう。毎回交渉が始まるので大変だ。
インスタで見つけたという旦那お目当てのお店へ。通りに面した店舗から歩いて数分のところにある、細い路地の隠れ家のようなアンティーク絨毯展示場へ案内される。
なんちゅう魅力空間、、、!

あれよあれよという間に20枚ほど見せられて「どれが気に入った?」と選ばされるのがお決まりのパターン。
ここは品は多いが、ビビッとくるものがなくて買わなかった。優しい店主だったので「あとは自由に見てていいよ」と不貞腐れることなく明るく去っていった。
新作、デッドストック、アンティークと特にこだわりはないのだが絶対に欲しい!!!と思えるものにはなかなか出会えない。
絨毯探しは服を探すのと同じくらいかそれ以上に難しいなと感じた。
インテリアに合うかな?
どの部屋に置こうかな?
そもそもこのサイズは家におけるのか?
(そもそも家がないけど)
絨毯自体がとてもよくても部屋(仮)とのバランスを考え出すと急に現実的でないなーと思ったり。
価格以外にも考えることが多くて頭が痛い。
そんな気持ちだったが「絶対今日はかわないぞー」と言いながら入ったお店で見つけてしまった運命の一枚!
ベルベル族の手織り絨毯。
似たデザインのものはたくさんあるが赤と青のバランスや、左右対称のデザインとサイズ感がドストライク!

3000dhを1900dhまで値下げして買ってしまった。モロッコの販売力、恐ろしい。
初日には買わないという作戦がさっそく狂ってきたぞ~。
疲れと喜びで充実感のある一日になった。
決戦の日
≪マラケシュ3日目≫
今日は【蚤の市】で掘り出し物探索、スークで【バブーシュ】と【絨毯】を買う日(と決めていた)。
蚤の市は結構遠いんだが、道を間違えてさらに遠回りしてしまいたどり着くころには疲れていた。
骨董品屋を見て回る。
面白いものがあるようで、ない。
ここまできたのに何も買わないのは、、、という謎のもったいなさで無理矢理買うものを見つけようとしてみたが、そういう時に限って何も刺さらない。
(モロッコをまわって気づいたが、この骨董市で買うよりもフェズで職人さんから直接買う方が断然良い品が手に入るので、行かなくてもよかったな)
疲れたので美味しい豆とすじ肉の煮込みを食べた。この店は信頼できる。
また骨董品巡り。
「ここまできたからには買わないと!っていう気持ち、捨てよう」そう言って、私たちは正気に戻った。
そうさ、ないのだ。欲しいものが。
確かにこのあたりの絨毯は破格であった。
でも、ヴィンテージと使い古しの境目もわからなくなって目眩がしそうなほど疲れた。ヴィンテージという響きに踊らされているのだ。
デザインはまぁ良いが『うわっ汚っ、、、』と、家に置きたくない気持ちが勝るものも多かった。洗えばいいんだろうけど、そこまでして欲しいというわけでもないので絨毯はスークで買うことにした。
旦那は何やらアンティーク布を見つけて交渉していたがまとまらず、断念。
今日は絨毯の日じゃないのかもな、、、と気持ちを切り替えてバブーシュ探しを始めた。
これまた難しい。見た目は似てるのに、触り心地や縫製の具合、塗料の質や履き心地などピンキリである。「ザ・バブーシュ!」って感じの内履きのものは実はお土産向けなので結構チープなものも多かった。
やっと見つけたお店は店内に工場があって、誰も売りつけてこない勝気な店だった。

質も良くて可愛いものが多い。
一度出て、他の店を探したが結局ここに戻った。
すると売り子が出てきて普通に接客が始まった。(なーんだ、さっきはいなかっただけか)
「一足なら250、でも二足だからそれぞれ200」
というところからスタート
実は他の店だと20〜60dhのものもある。が、中国製や明らかにチープな作りのものばかり。それなりに革からしっかりしてるものが欲しかったので一足120〜150で買おうと思っていた。
「二足を240dhで!」
いきなり攻めたら「それは無理だよ〜僕は日本の文化が好きなんだ〜(だから値下げしないでくれ)」と言われてしまった。
結局二足を300で買うことになった。
全然良い。日本で探した時もあまり質の良くないものが一足4000円くらいで売られていたので買わなかったのだ。

日本で買うよりはすこーし安いくらいだけど、納得できる。気分が良くなったので、絨毯屋が集まるスークへ向かった。
―――ちなみに室内履きバブーシュはマラケシュで探すのがおすすめ。デザインが豊富だった。
タンネリ(皮なめし工場)で有名なマラケシュには外履き用の先のとがったバブーシュが多く室内履き用はあまり見なかった。
人気が少ない場所にあるあるお店にふらふらと入ったら、そこがとても良かった。今日は買う気力はもうないから見るだけーという具合にラフに行ったのが良かったのかもしれない。
欲しいサイズを伝えるとどんどん広げてくれる店主。
「この形はいいけど色は嫌い」
「もっと青い絨毯が欲しい」
気を使わずに要望を伝えると、リクエストに寄せたものを出してきてくれる。
全然期待してなかったけど、サイズ・デザイン・質感すべてがイイ!と思えるものが出てきてしまった!
てゆうか、このお店の品揃えセンス良いな。


3つまで絞って「どれが欲しい?」と聞かれる。ここで少しミスを犯してしまう。馬鹿正直に欲しいもの順で答えてしまい、価格が順当につけられてしまった。
4500dh 1番欲しい
3000dh 二番目に欲しい
1500dh 正直いらん
くぅー逆に言えばよかった!!!
しかし交渉の末、4500dhを2000dhで買うことになった。

気づいたら交渉できてたので、びっくりした。
「お互いハッピーやな!」と店主は我々と握手を交わし、支払いが終わると颯爽と家に帰っていったのも印象深い。
宿に戻る道中で輸送用の段ボールを探す。商店に手頃なサイズの空き箱があったので貰って帰った。
イイ感じだ!ミッション完了まで近いぞ〜!
マラケシュでまだ見たいものがあったので、宿を1日延長した。宿のスタッフはみな親切でとても過ごしやすい。
この日は野良猫の餌を買って、夜な夜な餌やりに行ってから寝た。
4人部屋のドミトリーは私たち2人とドイツ系ブラジル人のお兄さん、ドイツ人の陽気なお姉さんと同室で平和に過ごせた。
モロッコの耳鼻科に行く
≪マラケシュ4日目≫
またまた朝から蚤の市に行くことに。

旦那お目当ての布を再び交渉にいくのだ。
しかし、到着した時間にはまだ開店しておらず暇だったらので私は耳鼻科に行くことにした。
アイスランドで体調を崩してから、改善しない鼻水、痰の症状のほかに頭痛、歯痛、顔面痛まで併発したので流石に抗生剤が必要だと思ったからだ。
蚤の市から西に15分ほど行った場所は高級住宅エリアで個人経営の病院が集まっていた。
一軒目は43人待ちと言われたので連絡先だけ渡して、二件目に行った。
二軒目はかなり綺麗な日本のクリニックっぽい雰囲気ですぐに案内できると言われたのでそこで受診した。
【Centre d’ORL, surdités et vertiges, Dr Rochd Sara】
chat GPTを使ってわかりやすく診察してくれた。耳と鼻をカメラで確認して「副鼻腔炎だね」と診断が下される。
女医さんがとても親切で、「飛行機に乗る予定はある?気圧によって症状が悪化しやすいからそれに合わせた薬も用意するね」と細かく確認してくれたのでかなり信頼できる。
薬も4つ処方してもらったが、できればジェネリックなど安い薬がいいと伝えると「じゃあ2つはサンプルをあげるわ。あとの2つは薬局で買ってね」と配慮してくれたおかげで薬代は177dhにおさまった!
診察料は500dhと一軒目より高めだったが、薬を2つ恵んでもらったので文句なし。

日本で保険適用した時より少し高い程度だったので、安心。
・・・余談・・・
翌日Safety Wingのオンライン医療費申請を行った。
発行してもらった請求書や診断書の書き方はSafety Wingの承認条件に沿っていなかったようで、後日WhatsAppでやり取りし再発行してもらった。アフターケアまで完璧。無事保険請求は承認された!
耳鼻科のあと、nectaromeでガスールを二つ買った。nectaromeはスークにはなく、高級ショッピングセンター近くにあった。
ガスールは56dhでほかのアルガンオイルなどは200dh以上と価格差があった。スークでもガスールは売っているが、全く見極めがつかないので品質が保証されているお店でさっと買いたかったのだ。
用事を済ませて、旦那と郵便局で合流。
モロッコのマラケシュから日本に絨毯を送る
国際配達専門の窓口amanaに先に着いたので伝票を書いて待っていた。
旦那は壮絶な値段交渉の末に購入した布とクッションカバーと宿にまとめておいた絨毯などを持ってタクシーで来てくれた。
伝票の書き方は日本とあまり変わらない。

空輸しかなく、10kg送るのに1560dhだった。カード決済ができたので支払いには困らなかったが、やはり国際配送は高い。
(2週間後にちゃんと日本に配送されていた)
一仕事終えて、すっかりお腹がすいた。宿に戻りながらスークにあるケバブ屋に入った。
これがなかなか美味しい。モロッコのパンは外がザラザラして硬めだがその中に具材を入れて食べるので歯応えと風味があって美味しい。
もう何も買わなくていい!と思うと、気が楽になって今まで気にかけていなかった他の民芸品が目に入るようになった。
最後は猫の餌を買って宿に戻った。
CTMバズでワルザザードへいく
≪マラケシュ最終日≫
朝ごはんを食べて10時に宿を出る。
同室だったブラジル人のお兄さんとドイツ人のお姉さんに別れを告げて、バス停まで歩く。
昨日絨毯と一緒に不要な衣類も送ったので荷物が少し軽くなった!1時間ほど離れたバス停まで、スークを抜け大通りを歩き暑い中たどり着いた。
バス停にも猫がいた。

バスはクーラーがついていて、普通の座席。申し分ない。
車窓から見える景色がいい。

モロッコは思っていたよりも緑豊かだ。
南緯がメキシコと同じくらいなのでメキシコで見た植物も生えているし、日差しと乾燥は強いが人が暮らせないほどでもない。アフリカ大陸の中でも豊かな土地なんだろう。
3時間ほど走ってお昼休憩が25分ほどあった。パニーニを食べた。10dhとかなり安い。
そのあと1時間半ほどでワルザザードについた。
バス停から宿はまた離れているので歩く。
宿はビル一棟丸ごと使った広ーい個室がたくさんあり、ルーフトップも良い感じ。朝食もついて2人で2500円くらいは破格。
そして、ワルザザードからフェズに抜ける2泊3日の砂漠ツアーも勢いで予約した。
フェズに行くバス代だけでも700dhするのだが、ツアーは込み込み950dhだった。
ちょうど良い、お得なツアーな予感。私たちを含め13人のツアーらしい。大人数ツアーは正直苦手だが、この際贅沢は言ってられない。
宿はWi-Fiが少し弱い以外は快適。
私たちの滞在するフロアは個室が二つと共用スペースにシャワー、キッチン、リビングがある。

このようなフロアが各階に2つ、おそらく全てで8フロアほどある。他の宿泊者は別フロアにいるようなので贅沢に使えるのがいい。
また、個室には二段ベットとダブルベッドが1台ずつあり冷房までついている。
こりゃ評価が高いわけだ〜!
ルーフトップでチルしていると、おしゃべりおじさんがやってきた。

彼はイギリス在住でチュニジア人とイタリア人のハーフらしく、早口の英語でいろんな話をしてくれた。
早口なのにとても聞き取りやすいので、ついつい話を聞いてしまう。
話が弾んで8月にチュニジアに行くと話すと「それなら友人がアテンドするよ!くれぐれも宿は取らないでね!彼女に連絡するよ」とさっそくチュニジアでお世話してくれる人を見つけてくれたのだ!急展開すぎる。
その後も、他の宿泊者を巻き込んで話をしてくれたのでとても楽しい時間だった。
早く寝ようと思っていたがあっという間に0時前になり「眠くなってきたのでまた明日」と部屋に戻ってきた。
まさかチュニジアにツテができるとは、、、!
旅先で初めての経験だ。
明日のツアーに備えてはよ寝なあかん。
つづく。